逃がした魚は大きかったか
クリスマスが近いですね。この時期になると思い出すことがあります。
あれは23、4歳の頃でしょうか。
当時、私にはフリーターでバンドマン(Vo.)の彼がいました。
その彼から、ピンク色の財布をクリスマスに貰ったのですが、
全く好みではなかったので、彼と会う時だけせっせと財布の中身を移し替え、
あたかも毎日使ってますよ的な感じで会っていました。
ちなみにお別れするまでの半年の間、この偽装工作を続けました。
なぜそこまでしたかというと、フリーターの彼がなけなしのお金で買ってくれた、
“ほぼ初めて”のプレゼントを無碍にはできなかったからです。
“ほぼ初めて”というのも、3年ほどお付き合いした中で貰ったプレゼント(のようなもの)といえば、
・iTunesカード1000円分(ネットを契約した時の特典)
・彼の地元のご当地ストラップ(幸せのクローバー的なやつ)
・自作の曲(タイトルも中身もすっかり忘れてしまいました)
ん~。23、4歳の女性へのプレゼントにしては、なかなかパンチの効いたラインナップですね。
でもちゃんと嬉しかったので、ストラップは鍵につけて「彼にもらった誕生日プレゼントです~」と、
当時勤めていた会社の先輩に自慢したところ、ドン引きされた記憶があります。
こんな若かりし頃の思い出が、クリスマスが近づくたび、
私の心のやらかい場所を今でもまだしめつけるわけです。(夜空ノムコウ??)
そういえば時々、「ボーカルってなんかモテそう」と言われたりしましたが、
彼に限っていえばそんなことはありませんでした。
影響を受けたのが、THE BLUE HEARTSの甲本ヒロトさんとか、銀杏BOYSの峯田和伸さんだったので、
歌唱力よりも情熱で勝負!!みたいな感じで、
盛り上がると脱ぐ、脱いでなんぼ。みたいなスタイルだったからでしょうか・・・。
なので彼らの出番になると、ただでさえ少ない観客がささーっと引いていき、
特に女の子からは悲鳴があがるようなステージでした。
私はすでに耐性がついていたので、「あ~、今日はちょっと脱ぐの早かったと思う」とか、
「もうちょっと脱ぎやすい服にしたら」とか意味不明なアドバイスをしていた記憶です。
彼も彼ですが、私も私な気がしてきました。
その後、縁が無くお別れしてしまいましたが、
あの時もっとサポートしていたら彼は成功したのでしょうか。
もしかしたら、私にプレゼントしてくれたあの曲が大ヒットしていたかもしれないなぁ、なんて思ったり。
まあ普通だったら、あの曲は彼の中で封印され、無かったことになっているでしょうね。
おわり。