赤い糸か、黒い糸か
先日、とある雑貨屋さんに立ち寄った時のことです。特に買いたい物があったわけではなかったのですが、なんとなく外観に惹かれ入ってみました。どうやら、作家さんが作った手作りの商品がメインで、店の奥には【今月のおススメ作家さん】的なコーナーもあり、そこではアンティークっぽい感じに作られた時計が並べられていました。「時計作家さんの手作りなんですよ。」と店員さんに声を掛けられ、作家さんのプロフィールが書かれたカードを貰いました。
「へー、素敵ですね」と返しながら、なんとなくカードを眺めていると。
おや?どこかで見たことのある名前。
ん?こ、これは!?
いやいや、まさかね、まさか…。
と自問自答しながら急いでその場でググる私。
やっぱり…。
元彼やーん!
そう、あれは大学1年生の頃。ちょっとだけ窪塚洋介に似ているという理由で、その一点が強すぎて猛烈に好きになってしまった、金髪でスケーターでフリーターの彼でした。好きすぎて、私も金髪にしました。大きめのTシャツとか着たりしました。若気の至りです。
ちなみに、半年足らずで振られ、別れ際に「この恋は、NOT FOUND(ミスチルの曲です)やった。」と言われました。は?
約23年の時を経て、彼は、黒髪で丸眼鏡をかけた時計作家に変身していたのです。
たまたま立ち寄った雑貨屋さんでこんな形で再会するなんて。
右手に携帯、左手にプロフィールカードを持ってフリーズしている私に、
店員さんが続けます。
「この作家さん、さっきまでお店にいらしたんですよ。」
2024年、何かドラマが起きる予感です。