楽しい介護
半年前くらいから、15歳になる愛犬の介護をしています。
後ろ脚が動かしにくくなってしまい、歩くのが困難な為、生活の様々な場面で人間のサポートが必要です。
例えば、「おしっこしたい」「水が飲みたい」「暑いor寒いから移動したい」「背中が痒い」など、
これまでは自分で勝手に解決していたことが出来なくなり、私に吠えて知らせてきます。
ただ、ここで問題なのが、知らせ方が全て「ワン!」だということです。
明らかに何かを要求していて、色々試してはみるのですが、
それが何なのかわからずお互い解決出来ないまま、愛犬側が諦めてくれることがあります。
こちらの力不足で本当に申し訳ない…。
思い返してみると、15年前、愛犬が我が家にやってきた頃。
私は、一生懸命『お座り』や『伏せ』を教えたり、トイレの場所や散歩の仕方を教えたり、
いい子に出来るよう、しつけました。もちろんやんちゃで手を焼いた時期もありましたが、
上手く出来たらご褒美のおやつを与え、成功体験を積み重ねた結果、
1~2年後には人間の生活習慣や話す言葉をかなり理解していたと思います。
愛犬の苦労も露知らず、犬って頭いいよね~なんて言っていた気がします。
そして今、私は愛犬にしつけられる日々を過ごしています。
耳を研ぎ澄まし、軽微な「ワン!」の違いを聞き分けることに集中しながら、正解を探す日々。
ご褒美のおやつこそ貰えませんが、要求が通って満足そうにしている愛犬を見ると、
こちらも嬉しく、次も役に立ちたいという思いになります。
反対に、さっぱり分からない時は、途方に暮れてしまいます。
15年前の愛犬もきっとこんな思いで頑張っていたんだと思うと、
犬よりも知能が高いはずの人間としては、もう少し良い成績を残したいところです。
最近、明らかに違う1種類の「ワン!」があることに気が付き、
恐らくそれは要求ではなく苦言ではないかと察しています。
大きな声で「ワンワンワンワン!」の後に、こちらをチラッと確認するものの、
特に要求はなさそうな感じ。
「15年間そっち(人間)に合わせて生活してきたのに、介護の一つも出来ないのか!」
「耳の穴かっぽじって良く聞けよ!今のはワン、さっきのはウォン、わかったか!」
なんて言われてたりして…。