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推し活動について

1年ほど前のある日、会社から帰宅しマンションの郵便受けを見ると

こんなものが入っていました。

 

 

 

…え、なにこれ、こわ……ストーカー…?

一瞬背筋が凍り、震える手で恐る恐る中身を確認してみると

 

 

…え、なにこれ、どうゆうこと……?

 

とりあえずあれこれと想定していた最悪のパターンとは違う方向だとわかり

落ち着いたところで冷静に頭の中を整理しました。

 

あ、この伊藤明弘さんという歌手のファンの方が

伊藤さんの歌をみんなに聴いてほしくて配っているのか。

 

偶然居合わせた同じマンションの人に聞いてみたところ

どうやらマンション全戸の郵便受けに投函されていたようです。

エントランスにあるゴミ箱を見ると、無残にも同じ包みがいくつも捨てられています…

 

部屋に持ち帰り、再度考えを巡らせ、とりあえずネットで「伊藤明弘」と検索。

情報が少なすぎて定かではないですが、どうやらリリースしたのはこのテープだけのようです。

そしてこの方、全盲だそうです。

だからサングラスをかけられてるんですね。

 

熱心なファンの方がいるもんだなあと思いましたが、マンション全戸に投函するって、かなりの数です。

一体なぜそんなに多くのテープを持っていたのか。

 

確認していないのでわかりませんが、全戸に同じテープが配られていたとしたら

購入数に応じて伊藤さんと握手できるイベントがあったとか?

1994年リリースとなっていますが、そうだとすればAKB商法の先駆者です。

 

さらに落ち着いて、ある考えが浮かびました。

 

これが投函されたのは大阪に緊急事態宣言が出されていた真っただ中。

除菌とか、してないよね……。

バイオテロの線も探りましたが、その後体調を崩したわけでもないので多分違います。

 

結局確かなことは何もわからずですが

やはり熱心なファンの方が推し活動の一環として行ったというのが妥当なところでしょうか。

 

推しがいるというのは

元気の源となったり、生きる糧となったりと、素晴らしいことだと思います。

わたしはそこまで熱中して推している人がいるわけではないので

うらやましいなとも思います。

 

ただ、今回の活動に関して思ったのは

勘違いであれ、一瞬でも誰かを不安にさせたり

迷惑をかけたりするのはご本人の意にも反すると思うので

アプローチの仕方は考える必要があるということです。

1人暮らしの女性がこれをされると、本当にかなりの恐怖を感じます。

 

そしてもう1つ。

令和のこの時代に、カセットテープを再生できる機械を持っている人がどれだけいるのか。

色々と考えを巡らせたおかげで、なんだかわたしも伊藤さんのファンになりそうだし

一度くらい「想い出のタンゴ」を聴いてみたくなりましたが

うちではテープは再生できません。

 

聴けないと思うと、余計に聴いてみたくなる…

 

あえてテープを配ったファンの方の狙いは、これだったのでしょうか。

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