愛すべきおばちゃん
子ども2人を連れて病院へ行ったときのことです。
いつも通り診察が終わり、隣の薬局で薬を待っていました。
案の定、待っている間に息子は退屈し、
自動ドアに顔をくっつけてみたり、大の字で床に寝そべったりし始めます。
そこへ一人のおばちゃんがご来店。
息子をみて、「あら~可愛い子やなぁ、唇の形がとてもキレイ!」と
今まで誰にも褒められたことのない部分を褒めてくれました。ありがとうございます。
その後、おばちゃんは息子にずっと話しかけてくれて、息子のご機嫌も回復。
ようやく名前が呼ばれ、薬剤師さんの説明が終わり、振り向いてみると
息子が何かモグモグ食べています。
ん・・・?
いちご?
なんと、おばちゃんが買い物袋から買ったばかりであろう、いちごを取り出し、
息子に食べさせていたのです。
・洗っていないイチゴ(衛生面の問題)
・1個まるまる(詰まらせる可能性)
・そもそも私に許可とっていない
ツッコミどころ満載のこの状況にびっくりしましたが、
ひとまずお礼を言い、息子に良かったね~と声をかけていると、
すかさず「お姉ちゃんも、ママもどうぞ」と上の子と私にもくださいました。
善意100%なだけに、断ることもできず、
「あ…ありがとうございます!!おいしいです!」と、気がつけば口に運んでいました。
もう、完全に食べざるを得ない状況でした。
その後、帰ろうとするも、息子はおばちゃんから離れようとせず、
もっとくれと言わんばかりに買い物袋を指さし、「ん!」とアピールをしています。
息子よ、本当にやめてくれ…。
2個目のいちごを頂いたところで(結局もらったんかい)、
「ちょっと待ってな~バナナもあるんよ、もってかえり~」と
さらに食べ物を出そうとするおばちゃん。
断ってみたものの、気がつけば私の両手にはバナナが2本握らされていました。
これが関西のおばちゃんのパワー…。
私ごときがおばちゃんに断ろうなんて100年早いわけです。
そんなわけで、おばちゃんの愛情(?)をしかと受け取り、おいしくいただきました。
それにしても、何か食べ物を渡さないと落ち着かない、そのエネルギー、恐るべし。