嘘と名言とインド
大学では、文学部で一番人気の心理学部に滑り込んだものの、
成績の都合により、一二を争う不人気ゼミに在籍していました。
優秀な人たちが少しくらいは世の中の役に立ちそうな分析を行う傍、
私といえばインドに焦がれるおじいちゃん教授の旅行話や哲学を聞き、
なんの反動か、監獄実験や新興宗教の本ばかり読んでいました。
教授の話で覚えているのは、
「インド行くときはな、めっちゃワクチン打たなあかんねんで!ガハハ!」のみです。
2年間ありがとうございました。
何を書いたかも忘れましたが、卒論は「嘘」について書きました。
この前、ドラマ「知ってるワイフ」で、
「人につく嘘と自分につく嘘、どっちが人生を狂わせるか」というようなセリフがあり、
ドラマの流れ的にも、まあ自分につく嘘だろうなとは思いましたが、
どうしてそう思うのか気になったので、
統計・参考文献無しの超個人的思考を書こうと思います。
「自分を騙すことは人を騙すことと一緒だー!」という意見も分かりますが、
それなら、「人につく嘘」と変わりないように思いますし、
「自分を騙すと、騙される人が2人になるから良くない」だと、
数の問題じゃなくない?となります。
「人につく嘘」=「自分は事実を知った上で、人を騙す」
「自分につく嘘」=「自分は事実を知った上で、自分を騙して、嘘を事実と思い込む。
なので当然その先にいる相手にも元々嘘だった事柄が事実として伝わる。」
おお、どちらにしても、結果的に相手には当初の事実とは異なる情報(=嘘)が伝わるが、
事実として扱われてきた過程や期間が長いほど、事実と疑わなくなるので、
それが覆されたときのダメージは大きいのでは・・・
そして、信じ続けてきた事実が崩れた時、
「騙された!」という怒りや恨みよりも、喪失感やまだ信じたい気持ちが勝つのではないかと思うのです。
これが人生を狂わせるのではないだろうか・・・
そう思った次第でございます・・・
ゼミの教授の話で、もう一つ覚えていることがあり、
「勉強して覚えたことなんぞ、どうせすぐに忘れてしまうけれど、
全部忘れたあとに一掴みだけ残っている考えや知識が大切。これが貴いねん。」という話。
卒論前に聞いて、さすがは年の功!と思っていましたが、
卒論で考えたことは、今、一掴みも残っておらず、
しばらくして太宰治の名言だと知りました。
ゼミで学んだことは、インド旅行時の注意と太宰治の名言でした。
終。