伯父の秘密
ゴールデンウイークに、久しぶりに帰省した時のことです。
昨年、母方の伯父が亡くなったこともあり、線香をあげに伯父の家を訪ねました。
伯父の家には、今は伯母が1人で住んでいます。
私の記憶が正しければ、もともと母は田舎のお嬢様で、長男として伯父が引き継いだ本家は、土地や田んぼ・不動産物件などをたくさん持っていて、なかなかバブリーなお家でした。定期的に、伯父の号令で親族や敷地内に住む近所の人達が集まり、数十人規模の大宴会。テーブルには特上寿司が並び、男達は酒を飲みながら朝まで麻雀をしている、そんな情景が思い出されます。今思えば、伯父は、私が物心ついた頃から多分仕事はしていなかったのだと思います(笑)
私は、線香をあげてから、伯父の身の回りのお世話をしてくれていた伯母を労うつもりで声を掛けました。
「生前は大変だっただろうけど、伯父さんが残してくれるものがあってよかったね。
これからはゆっくりして。」
しかし、この一言が伯母の地雷を踏み、衝撃的な事実を聞かされることに。
なんと、伯父は色んな所で多額の借金を作っていて、生前は誰も借金の存在を知らず、亡くなってから全てが発覚。伯母は約1年かけて田んぼや土地を次々と売り飛ばし、やっと返済が終わったところだったそうです。本家と少しの不動産物件は残ったものの、どれも古くリフォームが必要な状態で、管理がとにかく大変だとのことでした。
そして、何とか一段落したところに私の不用意な一言(笑)
溜まりに溜まったストレスを全て私に吐き出すしか、怒りを鎮める方法がなかったのでしょう…。悪気はなかったんだけど…。
抜け殻と化して帰宅し母に話すと、「NGワード連発だね~」と他人事のように笑っていました。いやいや、あんたの兄姉の話や。と思いましたが、これもまたNGワードの可能性大なので、黙って飲み込むことにしました。
全てを隠して逃げ切った伯父は、今頃天国で大宴会をしていることでしょう。
南無。