ニコイチな関係
「ねぇ、聞いてよ~。蛙化現象が起きてるっぽい。」
毎朝の満員電車で、中高生にもみくちゃにされながら通勤しているわたしですが、
最近やたらとこの“蛙化現象”について、女の子たちがお喋りしているのを耳にします。
意味を調べてみると…
『誰かに片思いをしている状況で、相手も自分に好意をもっていることが発覚した時に、その相手に対して、生理的な嫌悪を感じること』
だそうです。
造語とかではなく、SNSで若者たちが好んで使っている言葉のようですね。
男の子たちにとっては、たまったものではないです。
そんなことを思いながら、
自分の学生時代に、どんな言葉が流行したのか考えてみたとき
プリクラに「ニコイチ」「ニコイチ」と、落書きしていたことを思い出しました。
「ニコイチ」は、基本的には友だち同士で使われ、
「わたしとあなたは二人で一人♪」「とっても仲良し♪」な二人を表している言葉です。
そうそう。わたしにも高校時代、ニコイチな友だちがいたのです。
わたしは、バレーボール部に所属していて、なかなかに厳しく
全く練習のない休日は年に4回ほどだったと思います。
一方、ニコイチの彼女は帰宅部。
基本的に、学校の外で会える時間は無いのですが、
校内ではいつも隣をくっついて歩き、飽きもせず毎晩メールのやりとりをしていました。
そんなある日です。
奇跡的に部活動がない日曜日に、「お出かけをしよう!」ということになりました。
確か、映画館に行こうとか、そんな話だったと思います。
部活動に明け暮れていたわたしにとっては、
一大イベントで、首を長くして、その日を待っていたわけです。
しかし、前日。メールが届き、
「ごめーん!ちょっと用事で行けなくなっちゃった。また今度にできる?」
とな。
それはもう、ショックで、ショックで、
その気持ちのまま「また今度って、そんな簡単じゃないんだよ!」と返信。
嫌な態度を取ってしまったのです。
その一言により、これまでの楽しい時間は何だったの?というくらい、
お互いに接し方が分からなくなってしまい、クラスも離れ、
わたしたちのニコイチな関係は、あっけなく終わりを告げました。
当時は相当落ち込み、猛反省し、
彼女を見るたび、
ああ、仲直りしたいのに…って、ウジウジしていました。笑
アラサーにもなると、友人関係はさほど変わらないし、
今更、壊れることもないだろうし、
新たに誰かと深い友人関係を築くことも、まあ少ないだろうなと思います。
でも、毎朝の満員電車で、学生たちの若者言葉を聞いていると、
あの頃のほろ苦い気持ちを思い出し、
「いいなぁ!!!!戻りたいなぁ!!!!」なんて
大人げなく、毎日思っちゃうのです。