「内定辞退 学生9割『電話で』」
今日は、2019年6月16日付日経新聞掲載の「内定辞退 学生9割『電話で』」という記事について、
私なりに感じたことを、お伝えできればと思います。
記事の内容は、就職活動における就活生側の内定辞退の連絡方法と、
企業側の不採用連絡の有無に関して企業と就活生の間で、お互いに不満を感じている、というものです。
アンケートの結果、就活経験者が実際に内定辞退を伝えた方法は
電話85% メール24% 対面7%(複数回答)。
一方で、企業が望ましいと考える内定辞退の方法は
電話66% メール5% 対面16%で、両者の間に差があるとのことでした。
また、「企業側から不採用通知がなかった」と回答する就活経験者が63%いるとし
「辞退の連絡は求められるのに、不合格の通知を出さないのはマナー違反」という就活生の声が取り上げられていました。
私はこの意見にハッとさせられました。
確かに、新卒・中途採用問わず「通過者/内定者にのみ連絡をします」といった文言を目にすることは少なくありません。
私自身が新卒で就職活動をしていた約10年前からこれは変わりません。
しかし、今と大きく違うのは、リーマンショック後で就職活動が非常に厳しかったということです。
落ちて当たり前、連絡がなくて当たり前、という状況で就職活動をしていた私は不採用通知の連絡がないことに違和感がありませんでした。
もしかするとこの感覚は、“企業に雇ってもらう”買い手市場の時代や終身雇用を前提とした
企業優位の時代に慣れ親しんだ世代の「常識」であり、“求職者が企業を選ぶ”傾向にある売り手市場の現代では
「マナー違反」と感じる人が少なくないのかもしれないですね。
記事には「学生と企業は対等」という就活生の声もあります。
(もちろん、仕事上では選考結果は双方にきちんとご連絡をしています!
無意識のうちに新卒と中途で区別をしてしまっていたのかなと思います。自分でも不思議です。笑)
「不採用」「内定辞退」というネガティブな意思表示をするのは、
間に立つ、いわゆる当事者でない私たちからしても、とても気を遣うデリケートな内容です。
ただ、「内定・採用」という結果に繋がらなかった場合でもその企業・人材に出会えたことに感謝をする意味で、
相手のことを想った方法での意思表示があれば、お互いに気持ちよく前に進むことができるのではないでしょうか。
とは言っても、何百・何千という応募者対応をしなければならない新卒担当者にとっては、
不採用の連絡一つとっても大仕事ですし、初めて就職活動を経験する就活生にとっては、
応募企業全てに気を配って対応するのは簡単ではなく、
いつの時代も何かしらの不満を抱える人がいるのは仕方のないこととも思います。
転職に携わる者として、あらゆる面から時代の「常識」と「マナー」を捉えつつ、
企業・求職者の双方にとって心地の良い採用活動・転職活動を
サポートできるよう日々心掛けなければ、と改めて感じました。