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タイパ

 

「タイパ」という言葉が最近流行っているそうですね。

タイパ=タイムパフォーマンス、という意味らしく、Z世代を中心に、

ドラマや映画も倍速で見るような、時間の効率や欲求や態度を指すようです。

 

時代の流れなのか、ヒット曲のイントロも昔と比べると随分と短くなってきているそうです。

 

YOASOBIの「夜に駆ける」とかは典型ですね。

 

イントロの短い曲というと、思い出す出来事がありますーーー

 

あれは、だいぶ昔。

 

前職で、「部署対抗かくし芸大会」的なイベントがありました。

部署毎に、歌とか手品とか、あまり覚えていませんが寸劇とか、を披露するイベントでした。

そこに、何故か、「マネジャーチーム」なるものも、1チームとして参加することになりました。

 

出し物を決めるミーテング。

マネジャーチームで一番の若手は私。

私「何をしましょうか?」

古株「お前が歌えばいいんちゃう?」

その他「そーだ、そーだ」

・・・いつの世も「力」という目に見えない何かが働くものです。

 

という経緯で、私がリードボーカルを務め、他のおっさん連中がコーラス、という事になり、

曲は、『ランナウェイ』に決まりました・・・

『ランナウェイ』って曲、知ってますでしょうか?

1980年に発売された、シャネルズ(のちにラッツ&スターに改名)の曲です。

リードボーカルは、現在もソロ活動で活躍されている鈴木雅之さん、

コーラスには、後に何かと話題になった、田代まさしさんとかが在籍されていた、

7~8名のコーラスグループです。『め組のひと』も彼らの曲ですね。

 

当時は、『ランナウェイ』の発売から10年以上経っていましたが、まあ、誰でも知っている曲でした。

 

もちろん、他の皆さんも、それほどやる気があるわけでなく、

「その曲ならいけるやろ」という軽いノリで決まりました。

しかも、「いけるやろ」という前提なので、特段練習をするわけでもなく、

ぶっつけ本番で当日を迎えました。

 

そして、イベント当日。

 

舞台は、学校の体育館のような、高いステージがあり、数百人が入れるくらいの会場です。

舞台下は、椅子ではなく、ブルーシートを全面に張り、どこに座ってもいい感じで、

屋台的な出店みたいなものもあり、アルコールも飲み放題、ある意味、フェスの様相です。

観客は200~300人くらいでしょうか。

 

いよいよ本番。

 

当時は、カラオケボックスにあるような、モニターがあるわけでなく、

歌詞も手元の紙で用意したものです。

 

ステージにあがった私たちは、舞台下が予想以上に騒がしい事に気づきました。

 

そんな中、カラオケが鳴り始めました。

鳴り始めました、とは言うものの、予想以上にカラオケの音が小さく、

予想以上に舞台下がうるさく、リードボーカルの私の耳に聞こえてきません。

しかも、『ランナウェイ』はイントロがほとんどありません。

 

タイパですね。

って余裕をこいてる場合ではありません。

 

観客からの「おーい、曲始まってますよ~」の声で、ようやく気付き、何とか耳を澄まし、

カラオケが鳴っているのに気づき、曲の途中から歌い始めました

 

観客からは失笑の声。

しかも、舞台上で失敗しているおっさんたちは、普段えらそうにしているマネジャーたちです。

観客大喜び、の巻。

 

グダグダの中、歌い終わりました。

終わったというか、始まってないというか。

 

まあ、普段からマネジャー連中を鬱陶しがっていたメンバーの皆さんには喜んでもらえたようで。

何よりです。

 

教訓:おっさんにはタイパ無理やで

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