ご採用担当者さまへ
リクルーティングアドバイザーとして日々仕事をする中で
採用担当者様から、よく耳にするご意見があります。
すごくシンプルに要約すると
『若い女性を採用する場合、結婚や出産による退職や長期休暇取得のリスクを想定する必要がある。
でも30代後半になれば子育ても落ち着いているからその心配はしなくて良いだろう』
です。
…いま目の前で話している相手(わたし)は30代後半・未婚・子無なのですが。
わたしは変に繊細なところがあるので、この話題になると毎回、恐らくこの人のイメージする
【30代後半女性のテンプレート(=結婚・出産済で子育てが落ち着いているので多少の無理が効く)】
に当てはまっていない自分って、もしかして人間の女性としてカウントされてないのか…?
未婚が故?に多少の無理が効く、というところだけ当てはまってるけど…
と極端な思考に走ってしまい
(勝手に)ガラスのナイフでグサグサにハートを刺されてしまっています。
ただ、繊細な癖に、斜に構えたところがあるわたしは、瀕死状態で最後の力を振り絞り
「わたし、30代後半ですけど結婚も出産もしてないです。ちなみに勤続15年です。
こういう女性(が応募してきたら)どう思いますか?」
と投げかけるという、何故か体当たりの自爆行為に出てしまいます。
そうすると、ほぼ全ての方が
「え…!あ、い…いいと思います!」
という、正直何の答えにもなっていない答えで慰めてくださいます。
何かもう相打ち状態です。
いや、別に勝負をしたいわけではなく
いま目の前にいる人間が、あなたの考えるテンプレに当てはまらない可能性があるので
無意識に相手を傷つけているかもしれませんよ、ということと(偉そうですが)
採用を担当されているのであれば尚更、ステレオタイプに囚われずに採用活動をした方が
結果的によりマッチする人材を獲得できるかもしれませんよ、ということを
わたしという具体例を挙げて伝えたいだけなのですが、
こちらの力量不足もあり、なかなか上手くいきません。
折角なので、30代後半女性は本当に子育てが落ち着いているのか?調べてみました。
令和6年(2023年)の平均初産年齢は31.0歳です。
母親35歳で子ども4歳、母親39歳で子ども8歳。
「子育てが落ち着いたので、仕事中心で、突発的な残業も全く問題ないです!」
と言い切れる方は少ないのではないでしょうか。
さらに2人目を産んでいたらどうでしょうか。
ちなみに昭和50年(1975年)の平均初産年齢は25.7歳。
母親が30代後半になる頃には子どもが小学校高学年~中学生くらいになっているので
子育てが落ち着いている、とも言えるのかもしれません。
(家庭事情はまちまちなので、一概に子どもの年齢だけで考えるのは難しいですが)
昭和でストップしたまま、
「30代後半女性は子育てが落ち着いている」というイメージなのかもしれないですが、
それこそ昭和だったら2人目、3人目の出産も珍しくないので
【30代後半女性のテンプレ】ってもしかしたら幻想なのかもしれないなぁ、と思ったり…
女性の社会進出が叫ばれて久しいですが、労働人口が減り、売り手市場が続く中で
結局のところ、現場の、まずは人材採用の入り口である採用担当者様の考え方が変わらなければ
本当の意味での女性の社会進出は進まず、労働力不足の解消にも繋がらないのではないかと思い、
人材ビジネスに携わる人間の端くれとして
大変僭越ながら、密かに小さな小さな一石を投じてみた次第です。
わたしは特段フェミニストというわけではありませんので
女性でも男性でも、その方が働きたい形で働けるようサポートをするべく
そして、企業様の採用課題解決のためのサポートをするべく
これからも体当たりで自爆し続ける所存です!YES!