お花見の話
先週末に京都の定番お花見スポット「八坂神社」でお酒を飲みました。
名古屋から幼馴染が遊びにきてくれていたので
お酒好き・京都好きな友にぴったりだ!と思いここに決めたわけです。
八坂神社の奥に進むと、高さ50センチほどの小上がりに赤絨毯が敷かれ、
桜の木に豆電球、赤提灯がぶら下がっていて、
思ったより本格的な宴会スペースが設置されていました。
一通りお酒とおでんを楽しみ、ふたりともほろ酔いになったので
場所を移動して近くのベンチで二次会をすることに。
乾杯したところで突然、
「あの・・すみません。この宴会スペースって予約制ですか?」
声を掛けてきたのは落ち着いた雰囲気の若い男女でした。
ふたりとも、黒縁の丸眼鏡を掛けていて空気感が似ているので
一瞬、兄弟かな?と思いました。
予約制ではないことを伝えると
男「あぁ~そうですか。後で行ってみますね!
ところでお住まいは京都ですか?…え、出身は?」
ん~、なんだか長くなりそうだなと思いながらニコニコと対応します。
女「お姉さん、あの芸能人に似てるわ!ほら、あのドラマに出てた…」
男女の見事なコンビネーションにより、新しい話題がとめどなく繰り出されます。
男「このあたりでよく飲まれますか?
さくっと飲みに行けるような、そういう友だちってなかなかいなくって…」
(このあたりから疑念を抱きはじめます)
女「ところでどんなお仕事を?」
幼馴染と会うのは1年ぶりだったので、
この時間が勿体ないなあ という気持ちが募ります。
男「実は僕たち兄弟でも恋人同士でもなくてカフェ友なんですよ。僕が35歳、この女の子が23歳で、でも僕には彼女がいて彼女公認の仲で、普段はこんなカフェに行っt○%&×■」
ここから30分ほど続きます。
待って、ストップ、もういいよ、お願いだからどこかに行ってくれと
喉元まで出かけたところで連絡先を聞かれます。
やんわりと断りますが、
その後も連絡先をゲットすべく果敢にチャレンジしてきます。
笑ってごまかし続け、ようやく諦めてくれました。
去っていく男女の背中を見つめていましたが宴会スペースには見向きもせず、
また次のターゲットを探すかのように、キョロキョロとあたりを見回しています。
ここでわたしの疑念は確信へと近付きました。
12歳離れているその男女はカフェ友ではなく、
会社以外の組織に属する先輩と後輩…
うん、良からぬ勧誘だろうなと。
あのお揃いの丸眼鏡すらも胡散臭いなと。
頭の中でそんな考えをぐるぐる巡らせていたところで
「いや~!!
やっぱり関西の人って物凄いフレンドリーなんやねぇ!!
こういう人との繋がりって名古屋じゃあんまりないもん。関西って楽しいなぁ…。」
?
なんか満足そうにしているなあ。
幼馴染の、疑うことを知らない ピュアな笑顔。眩しい。
それに比べ、声を掛けられた二言目あたりでもう怪しいと思いはじめていた自分。
このまま歳をとってしまえば、わたしは誰も信じられないモンスターになってしまうかもしれないなと
心配になる出来事でした。